日本は気候的に『台風』とは切っても切れない縁があります。
毎年必ずと言っていいほど台風の影響を受けてきた訳ですから、当然のように今年もやって来るでしょう。
長く台風との関りがある地域の人は『対策』や『怖さ』を知っています。
しかし、近年は台風とあまり縁の無かった地域に台風が接近するようになり、慣れていない地域では、『準備不足』や『危険性への認識不足』から大ケガをする人や、亡くなる人が増えているようです。
編集長は、小さい頃から毎年のように台風の被害を受ける地域で育ちました。
慣れているとはいえ、『怖さ』は毎年同じです。
慣れている地域に住んでいても、ケガをする人や亡くなる人がいるほど台風は危険ですから、『自分は大丈夫!』という過信(かしん)を捨てて『備える』習慣を身につけましょう。
台風への備えは『台風が接近する前』にやっておかないと間に合いません。
それを念頭において、台風が接近する前にやっておくべき『備え』を見ていきましょう。
この記事を読んで分かること
- 台風が接近する前にすべき備え。
- 台風が接近したらやってはいけないこと。
台風が接近する前にすべき6つのこと
台風への備えは『台風が接近する前に全てやっておく』こと。
では、何をやっておけばいいの?
具体的な対策を以下にまとめていますので、順に見ていきましょう。
❶台風情報の確認をする
最新の天気予報を見て、台風情報や大雨・洪水・強風注意報や警報を確認しておきましょう。
日本気象協会が運営するtenki.jpでは、常に最新の気象情報が得られるのでブックマークしておきましょう。
そして、必ず『避難場所とルート』の確認も行います。
「windy」は、風の動きが分かりやすく表示され、雨雲雪雲情報は高い精度でリアルタイム予報をしてくれるアプリなので、インストールしておくと便利です。
❷自宅の周囲を確認する
台風が接近すると予想を上回る強風が吹く場合があるので、アンテナや植木鉢など折れたり飛ばされそうな物を安全な場所に移動し、動かないように固定してください。
戸や窓にヒビを発見したら、板や布テープなどで補強し、ガラスなどが飛散してケガをしないようにします。
ガラスにテープを貼る場合、ガムテープや養生テープなどを使用すると思いますが、台風通過後は速やかに剥(は)がしましょう。
というのは、テープを貼ったまま放置すると、剥がしにくくなるだけでなく、糊跡が残って汚くなります。
もし、糊跡が残った時は下記の方法が効果的です。
糊跡が残った時の対処法
- ガムテープを貼って剥がす作業を何度も繰り返す
- 超強力洗浄剤を使用する
- スクレーパーで削(けず)り取る
また、割れたガラスの飛散(ひさん)を防ぐためにカーテンは閉めておきましょう。
メモ
カーテンを閉めておくと、割れたガラスの飛散を防ぐことができます。
❸浸水への対策をしておく
台風により雨量が増し、近くの河川が氾濫する場合があります。
近年、全国各地で『想定外』の災害が起きています。
過去に氾濫したことがないから今回も大丈夫!といった考え方では非常に危険です。
浸水の可能性がある場合は、電化製品を2階へ運んでおきます。
感電・漏電・ショートの恐れがあるため、コンセントは抜いておきましょう。
❹停電(および通電火災)への対策をしておく
強風により電柱が断線したり、浸水からの漏電により停電してしまいます。
被害が大きく、復旧に時間を要すると、2〜3日以上に渡って電気が使えません。
夜間はトイレなどへの移動の際に転倒したり、落下した物を踏んでケガをする危険性もあります。
割れたガラスなどを踏んでしまい出血して動けなくなった、なんてことも案外多いため、寝室にはスリッパを用意しておきましょう。
まずは家庭にあるロウソクや懐中電灯の確認を。
停電時はテレビも使えないので、最新の台風情報や避難情報、被害情報が得られません。
アクセスの集中や電波状況により、スマートフォンも使えない可能性も考える必要があります。
そんな時に頼りになるのはラジオです。電池式や充電式、手動で充電するタイプなら安心です。
また経済的にゆとりがあれば、発電機(手回し式や燃料を使用するタイプ)や蓄電池を常備してうくと役立ちます。
今注目されているのが上画像のような持ち運び式のポータブル蓄電池。
コンセントにつないで使える家電は普段通りに使用できますので、被災時には大変重宝します。
キャンプや釣りなど普段使いにも活躍するので、日頃から慣れておくのもいいでしょう。
停電時に役立つ以下の物を備えましょう。
停電時に必須アイテム
- ロウソク
- 懐中電灯
- 発電機
- 蓄電池
盲点なのがブレーカー!
もし、避難により家を離れる場合には『ブレーカーをOFF(オフ)する』作業を行ってください。
これは、『通電火災』という火災を防ぐ目的があります。
通電火災は
①災害により停電が発生
↓
②ブレーカーがオン(ON)の状態で復旧することで火災が発生
するといったものです。
『阪神淡路大震災』で発生した火災の約6割が通電火災によるものでした。
家のブレーカーの位置を確認して、台風(その他災害)により避難場所へ移動する場合は、上記ブレーカーの①~③全てのスイッチをオフ(OFF)にしてください。
帰宅後は、電気が復旧(正常に通じている)しているのを確認して『ブレーカーの全てのスイッチをオン(ON)』にしてください。
❺断水への対策をしておく
台風により水道管が損傷し断水が起こったり、水道水に不純物が混じり使用できない状況が起こる場合があります。
そんな時のために、飲料水の買い置きをしたり、浴槽に水をためて備えておきましょう。
❻避難に備え「非常持ち出し袋」を手元に置く
前もって、お住いの地域の避難場所を調べておき、いつでも避難できるよう『非常持ち出し袋(防災バッグ) 』を、すぐに手に取れる場所に置いておきます。→ ≪防災安全協会認定 大容量30Lリュック採用≫ 防災セットSHELTERシリーズ
基本的に避難所に着くまでを想定して1日分の食料や必要物品を入れておきましょう。(できるだけ身軽に)
台風が接近した時にしてはいけないこと
台風が最接近したら『屋外に出ない!』
これが鉄則です。
台風が近づいてから
- 屋根に上ったり
- 畑や田んぼを見に行ったり
- 川や海を見に行ったり
このような行動を取る人がいますが、これは極めて危険な行為です。
避難場所への移動も『台風が接近する前に』行いましょう。
自然の力は想像を遥(はる)かに上回るのです。
最悪『命』を落とすことになります。
台風が過ぎ去ってからも
- 吹き返し
- 水を多く含んだ場所での土砂災害
- 上流からの水が氾濫
- 樹木や電柱が倒れる
- 家屋の倒壊
- 高波による水難事故
など、二次災害の危険性がありますので、慎重に行動しましょう。
まとめ
台風への備えは全て
『想定外の事態が起きることを想定しておく』
『台風が接近する前に済ませておく』
『台風が接近したら屋外へは出ない』
事前に以下の6つの備えをしておきましょう。
台風が接近する前にやっておくの6つの備え
- 台風情報・避難場所の確認をする
- 自宅の周囲を確認する
- 浸水への対策をしておく
- 停電への対策をしておく
- 断水への対策をしておく
- 避難に「非常持ち出し袋」を手元に置いておく
日頃からの意識づけを大切に!