『備え』と『準備』という2つの言葉。
実は似ているようで意味や用途が異なります。
どう使い分けたらいいのか、解説していきたいと思います。
『備え』とは
- ある事態が起こったときにうろたえないように、また、これから先に起こる事態に対応できるように準備しておく。心構えをしておく。
- 必要なときにいつでも使えるように、前もって整えておく。設備や装置を用意しておく。
- 必要なものを、どこも足りないところがないように持っている。具備する。
引用:コトバンク
上記のように、『備え』とは「起きるかもしれないことを想定して行っておくこと」です。
例えば
「大地震が来るかもしれないから家族で避難場所を決めておこう」
「津波が来るかもしれないから防災バッグを枕元に置いておこう」
「火事が起きるかもしれないから、消火器を設置しておこう」
といった使い方になります。
『準備』とは
- (スル)物事をする前に、あらかじめ必要なものをそろえたり態勢を整えたりして用意をすること。
引用:コトバンク
『準備』とは、「必ず起こること(必要なこと)に対して用意をする」ことです。
例えば
「明日には台風が暴風圏に入るから雨戸を閉めておこう」
「10分後には津波が到達するから高台に移動しよう」
といった使い方になります。
『備え』から『準備』へ
ん-、「同じじゃん!」って思った方へもう一度説明をします。
ポイント
- 『備え』は、起きるかどうかまだ分からないことに対して用意すること
- 『準備』は、必ず起きることが分かっていることに対して用意すること
これが本来の言葉の使い方。
ひと昔でしたら、大きな災害が来た時のために『備え』ておこう、といった意識の持ち方だったと思います。
しかし、『阪神淡路大震災』『東日本大震災』『熊本地震』を経験し、次は『南海トラフ地震』が想定されていて、『南海トラフ地震』は「地震調査研究推進本部地震調査委員会」によると、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率が70~80%(2020.1.24)であり「ほぼ確実に起こりうる」ことだと言っても過言ではありません。
地震調査研究推進本部地震調査委員会
阪神淡路大震災(1995.1.17)の経験から、地震に関する調査研究の成果を社会に伝え、推進するために作られた政府の組織です。
『大規模災害は近い将来に必ず起こる』
災害への『備え』から『準備』へと、私たちの意識を変えていく必要があるのではないでしょうか。
それが、私たちが生き延びていくために必要不可欠なことだと思います。